勉強の環境を整える①

以前、

自学自習に大切な環境とは?」という記事の中で、

子どもが自分から勉強するようになる環境には

3つの条件を整えることが必要であると書きました。

 

それは

・勉強する時間を決める

・勉強しかできない場所に行く

・勉強している人の近くに行く

この3つでした。

 

今回の記事では、

「勉強する時間を決める」に焦点を当てて、

詳しく解説していきたいと思います。

 

 

勉強する時間を決める

今から書こうとしている内容は、

「○時から勉強を始めよう」とか

「机に向かったら1時間は勉強しよう」という話ではありません。

 

この記事でお話しするのは、

環境を整えるということですから、

「どうしたら机に向かうのか」

「どうしたら机に向かい続けられるのか」

という視点で、時間について書いていきたいと思います。

 

まず、「どうしたら机に向かうのか」。

これは「机に向かうまで」の段階で、

どのように勉強時間を決めたらよいかという自分への問いかけです。

 

そもそも、

机に向かえない原因は何でしょうか?

 

単純に勉強が嫌いだったり、

スマホやテレビなどの誘惑が多かったり、

そのときの体調がよくなかったりといろいろ考えられます。

また、子どもは、学校から帰ってきた時点で、

勉強と部活動に打ち込んだ後で、既に疲れていたりします。

 

まず、生徒のそのがんばりを認めてあげた上で、

家で机に向かうことを考えるべきでしょう。

 

ここで、大事なのは、

既に疲れている状態だけど、

(もしくは勉強が嫌いだけど、)

どのようにしたら机に向かうのか

を考えることです。

 

それを「勉強時間」で解決する方法をご紹介します。

それは、机に向かう前には

「3分だけでいい」

「5分でいい」

「10分経ったら勉強をやめていい」

と子ども自身が意識することです。

 

どういうことかご説明します。

人は「何かを始める」ときが、

一番エネルギーや、やる気を消費します。

 

自転車で考えていただければよいでしょう。

自転車は停まっている状態から

ペダルを踏み込むときに、

一番足の力を使います。

 

それは勉強も同じなのです。

だから、勉強を「始める」というハードルを

まず下げることが重要なのです。

 

「5分でやめていいなら、始めようかな」

と子どもが思うことで、

机に向かうまでの抵抗を減らすことができます。

 

また、

人間というのは不思議なもので、

いざ始めてしまうと、

そのままやり続けられることも少なくありません。

 

提出しなければいけない課題などであれば尚更で、

「せっかくノってきたからもうちょっと……」

と、これも自転車と同じ原理です。

スピードが出始めたら、

こぐことに力はそんなに必要がなくなります。

 

だから、

保護者の方の声かけとしては、

今まで

「勉強しなさい」

「宿題やったの?」

だったものを

 

「疲れていると思うけど、

5分だけでいいから宿題に手をつけたら?」

 

と変えるだけで、

子どもは「自分が1日がんばってきて疲れていることを認められた」と感じた上で、

ハードルの低い勉強時間を提示されることにより、

「そうしようかな」と肯定的になれるのです。

 

 

次に、「どうしたら机に向かい続けられるのか」を考えてみましょう。

実際に「じゃあ5分だけ」と言って机に向かったはいいけど、

本当に5分で切り上げてきてしまうことも想像できます。

 

ここで

「本当に5分でやめるんかい!」

とツッコミを入れたくなる気持ちを抑え、

どのようにしたら

「机に向かい続けられるのか」

を考えてみましょう。

 

そもそも

机に向かい続けられないのは、なぜでしょうか?

 

多くは集中力が続かないからだと思います。

この集中力が続かない状態を、

「勉強時間」という面から解決策を考えてみましょう。

 

もう少し深く考えてみます。

なぜ、集中力が続かないのでしょうか?

 

これは理由がたくさん思い浮かびそうです。

実はこれ、さっきの机に向かえない理由と重なる部分が多いです。

 

・勉強内容が単調

・時間帯が遅い

・前日あまり寝ていない

・性格

・疲れの度合い

・科目の好み

・誘惑が近くにある

・そもそも勉強が嫌い

・モチベーション(動機)がない

 

様々な理由が思いつきそうですが、

今回は「時間」からのアプローチにしたいので、

勉強の「継続時間」について考えてみたいと思います。

 

結論から言いますと、

勉強が特別好きではない子は、

勉強の継続時間は短い方が集中できると考えています。

 

どれくらいを短いととるかは

本人次第ですが、

目安としては

30分以内のサイクルを何度も回した方が

集中力を保ったまま勉強できると考えています。

 

30分以内ですから、

勉強時間は5分でも10分でもいいのです。

 

しかし

ここで大切なのは、

休憩時間の設定をすることです。

 

しかも、

疲れる前に休憩をとることです。

 

なぜなら、

疲れてから休憩をとると、

疲れが回復するまでに時間がかかってしまうからです。

 

疲れてしまっているからこそ、

「休憩だから」と言って、

スマホを1時間触ってしまったりするのです。

 

先ほどの「始める」ことが

いかに大変かを思い出して下さい。

 

休憩は、

あくまで「途中」の休憩であるべきで、

せっかく作った勉強の流れを断ち切るほどの

長時間の休憩をとってしまうと、

話はふりだしに戻ってしまうわけです。

 

だから、

次につながるための

ちょっとした休憩をとる必要があります。

その適切な時間は、

人それぞれではありますが、

5分以内がよいでしょう。

 

それ以上の長い休憩を取ると、

次に勉強を開始するときに、

また同じように抵抗感が邪魔をしてしまいます。

 

そのために保護者の方ができることは、

キッチンタイマーを子どもにプレゼントすることです。

 

カウントダウン式のキッチンタイマーは、

100円ショップでも売っていて、

手軽に購入することができます。

 

これを渡し、

「短い勉強時間のままで構わないから、

休憩を5分以内できちんととりながら、

宿題を終わらせてみたら?」

と提案してみて下さい。

 

そう提案することで、

ただ「また休憩して! 早く勉強に戻りなさい」と

抽象的に指示するよりも、

具体的な指示になるので、

言葉を受ける方も行動しやすくなります。

 

付け加えると、

休日やテスト週間などの

時間が多くとれる場合は、

5分以内の休憩を何度か繰り返した後、

30分以内の長めの休憩を入れた方がよいでしょう。

 

なぜなら、5分以内の休憩だけでは、

息切れを起こしてしまうからです。

 

5分以内の休憩は

基本的には勉強を持続させるための休憩なので、

その短い休憩だけでは

集中力は徐々に落ちてきてしまうのです。

 

だから、

どこかでまとまった休憩を入れた方が、

全体的に見て、より質の高い集中力を得られます。

 

この短い休憩と長い休憩を組み合わせることで、

机に向かい続けることができるのです。

 

 

このように、

時間を決めることによって、

つまり時間的環境を整えることによって、

机に向かうことができ、

机に向かい続けることができます。

 

次回は、

勉強しかできない場所に行く」(勉強の環境を整える②)

について書いていきたいと思います。

 

また、

この記事はシリーズもので、

第3弾まであります。

3回目は「勉強している人の近くに行く」(勉強の環境を整える③)

となります。


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