勉強の環境を整える③

子どもが自分から勉強するようになる環境には

3つの条件を整えることが必要であると書きました。

それは

 ・勉強する時間を決める

 ・勉強しかできない場所に行く

 ・勉強している人の近くに行く

この3つでした。

 

3つ目の今回は

「勉強している人の近くに行く」です。

 

 

この行動の効き目はシンプルです。

「周りも勉強してるし、自分も勉強しようかな」

という気持ちになることです。

 

学校の自習室や図書館の勉強スペースを

有効に使うことで実現することができます。

 

これで「なるほど」と思われた方は、

下の「親として何ができるか」という見出しまで

読み飛ばしていただいても結構です。

 

ただし、

なぜそうなるのかを理解することによって、

理想の自分を実現する方法としても

使うことができるので、

是非、続きを順にお読みいただければと思います。

 

 

なぜ、周りが勉強していると勉強する気になるのか

勉強しようとしている本人が

「学校のテストでいい点数をとれるようになりたい」

と思っている場合、

 

実際に既に勉強をして、

いい成績を収めている人の

マネをすればいいのです。

 

「学ぶ」という言葉は、

元々「マネ(真似)」という

言葉から生まれたように、(マネブ→学ぶ)

理想のモデルとなる人の真似をすることが、

理想を実現する早道になるのです。

 

理想のモデルを真似することを

心理学の世界では「モデリング」と呼びます。

実際に学校のテストで上手くいっている人の傍で勉強したり、

可能ならその人と喋ってみたりして、

モデルの勉強の仕方や考え方をよく観察してマネするのです。

 

勉強するポーズだけではなく、

その人が何に興味を持っているのか、

どこに注目して勉強しているのかまで知ってから

マネをすることで更に効果が高まります。

 

その人になりきることが大事です。

モデリングを実行することで、

学校の勉強にとどまらず、

資格試験の勉強、スポーツ、芸術、ダイエットなど、

その応用できる幅は非常に広いのです。

 

 

では、次に

勉強しようとしている本人が

勉強に意欲が湧かない場合です。

 

そういう人は

「他人の目」を上手に活用するとよいでしょう。

 

冒頭でご紹介した、

「周りもやってるし、仕方ない、勉強やろう」

という効果をご紹介しましたが、

人の目が気になる性格の人は、

これを有効に使うことができます。

 

実際に

周囲の人が勉強しかしていない

学校の自習室(図書館)のような場所に行き、

自分だけが勉強していなければ、

居たたまらない気持ちになると思います。

 

これは「ピア・プレッシャー」という言葉で

説明されることがあります。

日本語では「同質化圧力」と

訳されることもあります。

 

「ピア(peer)」というのは

「同僚、仲間」という意味の英語で、

その仲間から受けるプレッシャーのことです。

 

この言葉が使われるときは、

例えば日本の家族経営的な企業風土を指すような場面で使われ、

「出る杭は打たれる」というムラ社会的な

悪い意味で使われることが多いです。

 

しかし、

これを逆手に利用しようというのが、

ここでの提案です。

 

勉強することが当たり前になっている

集団(ムラ)に属すことによって、

勉強しないことが「出る杭」となり、

ピア・プレッシャーが働き、

人の目を気にする人は

その集団の中で勉強をがんばることができるのです。

 

場所としては、

放課後の学校の図書館や自習室、

進学塾の自習スペース、

(そしてもちろん、学び安も!)

などがおすすめです。

 

逆に

勉強をしない人のピア・プレッシャーを受けると、

勉強していない方に引きずられるので、

友達と一緒に勉強するときに

「勉強しない方に引っ張られていないか」

を気をつけた方がよいでしょう。

 

今ご紹介しました

モデリング、ピア・プレッシャーから

人間は、「周囲の人との関係(環境)に適応する生き物」だということが言えます。

もう少し言葉を変えれば、

人間は流されやすい生き物である、ということです。

 

これは、

いい意味でも、悪い意味でもとることができると思いますが、

敢えてこの表現を使いたいと思います。

 

 

親として何ができるか

「でも、行くのは本人だ。親として何ができるか」

という疑問が湧いた方がいらっしゃることでしょう。

 

ここで、

「勉強している人の近くで勉強しておいで」

とお子さんに勧めることも可能ですが、

それは指示として抽象的ですし、

根本的な構造として「勉強しなさい」と余り変わりません。

 

では、親としてどうすることができるでしょうか。

 

それは「として)勉強する」ことです。

 

親が勉強している姿を子どもが見ることで、

親自身がモデリングの対象になったり、

勉強するピア・プレッシャーとなったりするのです。

 

メンタリストのDaiGoさんは、

自身のブログで以下のように書いています。

少し長いですが、

一部分を抜粋して引用します。

 

つまり、子供に勉強させる一番の方法は、

 

あなたが勉強している姿を見せることです。

 

あなたが勉強しないのに、本も読まないのに、

子供に勉強しなさいということは、

全く働かない上司に、「仕事をしろ!」と言われるようなものです。

それでは、反感しか生まれません。

 

まずはあなたが、勉強を、学ぶことを楽しんでいる姿を見せ、

子供が興味を持つまで待つのです。

 

例えば、

漢字の勉強を子供にやらせたいなら、

まずは、あなたが子供の目の前で、

毎日、楽しそうに漢字を勉強して見せるのです。

一緒にやろうなどという必要はありません。

 

子供が、

何してるの?

楽しそうだね、私もやってみたい!

と自分から言ってくるまで待つのです。

 

あなたの行動で、子供の好奇心を誘導する。

 

この考え方がまさにメンタリズムなのです。

メンタリストDaiGoの心理分析してみた!(最終閲覧日:2017/10/01)

https://ameblo.jp/daigo-mentalism/entry-11646639662.html(2013/10/21の記事)

もしかしたら、

この文章を辛口に感じたかもしれませんが、

確かに、自分が実践していないことを

他人に「やりなさい」と言っても、

その言葉に説得力はありませんよね。

 

この引用では、

漢字を勉強させたかったら、

親が漢字を勉強しなさいと書いてあるのですが、

中学生以上を相手にする場合は、

その限りではないと思います。

 

実際に漢字や数学を勉強しなくても、

読書する姿を見せるだけでも

子どもが親に対して感じる心は動くと思います。

 

ただし、

娯楽小説、ファッション誌のようなもの

ではないことが望ましいでしょう。

なぜなら、この場合は、子どもが

「あ、お母さん(お父さん)が勉強している!」

と思うことが大切なので。

 

最後に、

追記の例として

わたしの家で実際にあったことを

書いてみたいと思います。

 

中学1年生の妹が

漢字検定のパンフレットを学校から貰ってきて、

食卓テーブルの上に置いてありました。

 

それを見ながら母が、

「お母さんが漢字検定に挑戦してみようかな」

と何気なく言うと、

「え! じゃあ、わたしもやる!」

と妹が答え、話が盛り上がり、

本屋で問題集を買ってきました。

 

それから2週間くらいは

お互いに「○○ページ進んだよ」

とやっていたのですが、

ある日、どちらからということもなく

ぱったり勉強しなくなってしまいました(^^;

 

三日坊主になってしまった理由はさて置き、

ここでわたしが感じたことは、

漢字に全く感心を示さなかった妹が、

親がやろうかなと言った言葉をきっかけに

一瞬でも漢字を勉強しようとしたという、

親が勉強することに対する影響力の大きさです。

 

どんな「勉強しなさい」という言葉より、

本人は勉強に前向きに取り組んだのです。

 

 

是非、

お子さんに「勉強しなさい」と言う前に、

不言実行で勉強している姿を示してみてください。

 

すぐにお子さんが変わらなかったとしても、

自分の親が楽しく勉強している姿を見たら、

お子さんの心はきっと何かを感じると思います。

 


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